|
新年早々エッと思うほどの大雪が中部、甲信越地方を襲い、スキー・スノーボードをする方はいいぞヤッタ万歳ナドと叫びつつ、雪に不慣れな都市型人間の方々は自転車には乗れず、歩けば滑る、こける、骨折れる、車にはチェーンも無く、アクセル踏んでも進まない、ハンドル切っても曲がらない、ブレーキかけても止まらない、後はご想像にオマカセ・・・といった現象が次々と起きたそうです
(愛知県豊田市出身者の証言による) 。 そんな激しい西高東低の気圧配置もすぐに崩れ、ついでに積もった雪も崩れあちこちの山で全層なだれ。今年もやっぱり異常気象は続いているようです。とはいえ寒いこの時期、患者の皆さん故障が続出しています。
この冬、そう、皆様も遂に待ちに待った(誰が待ってたの?) ソルトレイクオリンピック (これが出る頃にはもう始まってますね)
が始まります。スポーツ観戦で冬季五輪ほど集中して面白い競技を観られるという事は他には無いのですね。日本のスポーツ観戦は野球を中心に全てが回っているので、冬季のマイナースポーツは新聞に載るのはたいがい結果だけ。本文なんてあったとしても私のこの詰まらないコラムの1/10。殆ど脚光を浴びる事無く、スポンサーも付かず遠征費は何時も自腹。そして更に五輪の舞台に立つために、血の滲むような地道な練習とトレーニングを欠かすことが出来ません。そんな地味でしかも研ぎ澄まされた冬季五輪を観ると胸が痛くなります。実は私出身校が肉体強化大学(一般には日本体育大学と呼ばれている所)で、友人の60%が日本で何位トカ、世界で何位トカの人々。右を向けば甲子園ピッチャー、左を向けば春高バレーのエースといった環境の中で、数々の興亡を目の当たりにしてきた私にとっては、輝かしい頂点と同時にその背後にある模様が見えてくるからかもしれません。
“根性”という言葉があります。我々日本人にはとってもなじみの深い、競技者にとって己に負けるなという意味では最大のプレシャー、ストレス。そして指導者にとっては、これほどイージーで使いやすく、そして危険な言葉は無いでしょう。競技の世界はこんな冗談が通用する世界ではないという認識が未だ、指導者たちの表現や言葉、行為の中に備わっていない。または指導者そのものが存在しないということが多々あります。私め、出身大学も4年いてクマナク見聞し、一応教職課程も履修し、だいぶインチキな非常勤講師ながら体育教師もしばらく勤め、コーチングや指導法一応学んだ手前言わせて頂きますが、日本のスポーツ界は遅れすぎています。その原因は皆さんもよーくご存知のイワユル体育会系。うちの大学では“系”は付かずそのまま体育会。なんせ大学の母体が日本体育会ですからね。要はご多分に漏れず軍隊式なのですよ。どういう訳かは知りませんが、すべてに於いて旧陸軍方式なのですね。冷静に考えるとこの方式で日本は戦争に負けたわけだから、良くないやり方は放棄して新たに良い方法を導入するべきが、とうとう最後までスポーツには順番が回ってかなかったという事でしょうか。僕の同期の友人で五輪出場者1名。大学に入るまでは期待のホープ、突然現れた新星、…の申し子等々、高校までの華々しい経歴を引っ提げて大学に入り(当時定員750人中約500人が推薦やセレクションでの入学。ちなみに私は競技スポーツではなかったので一般入試)、世に名前の出るような選手になるのは1%未満。殆どの友人がオーバーワーク、見当ちがいの練習、間違ったトレーニング方法、または無意味なシゴキによって故障し競技から去っていきました。そしてまともに走れなくなった膝を抱えつつ4年に一度の祭典を見守るわけです。
ここ一年ほど、わがセンターはスポーツマンで大賑わいで、プロレスラー(よくよく話を聞いたら、ジュニアヘビー級のチャンプになったらしい)から少年サッカー選手まで幅広くきますが、一番の重症は野球少年達です。甲子園を目指す少年達は純粋に野球が好きで好きで堪らないといった様子でいつもニコニコしているのですが、私の目から見ればとても笑ってる場合ではない。少年達に対してレギュラーという餌を使い、故障しようが痛かろうが、将来使い物にならなかろうが全くお構いなしの無理な練習を行い週のうち休みは日曜のみ。下半身のトレーニングも指導せずコンクリートの上を延々と走らせる
(大体、野球にはそんなに長距離を走ることなどないではないか) 、スプリントやアジリティなんて聞いた事ないなんていう状態でもうあげつらったら限がない。少年達にとっては灯台の光となるべき指導者達の不勉強振りには毎度毎度呆れさせられます。そろそろ軍隊式はやめにして、ほんの少しだけ科学的な思考を取り入れようではありませんか。この少年達がどうか私の友人達のように、意味のない故障によって野球から離れることが無いよう、心のそこから希望して止みません。
|